2026年の綿花価格動向と要因
現在の価格水準
コットン先物はポンドあたり77セント前後で推移しており、2026年初頭から見るとやや回復した水準にあります。 2026年5月の平均価格は約2.03米ドル/kg(円換算で約321円/kg)となっています。
価格を動かした主な要因
① 米中関税・貿易摩擦
2026年4月上旬、米国が対中関税政策を実施したことで世界の貿易センチメントが急激に悪化し、綿花価格は急落して年内最安値を記録しました。その後、米中ジュネーブ声明での一部関税引き下げ合意を受けて市場心理が回復し、価格は反発しました。
② 供給・在庫の増大
ICE認定在庫は225,259バールに達し、2017年7月以来の最高水準となりました。ブラジルの2025/26年度のコットン生産見通しは385.8万トンで、輸出予測は過去最高の330万トンに引き上げられています。
③ 米国の作付け状況
USDAの報告によれば、米国のコットン植え付けは53%完了しており、昨年の50%のペースを上回っています。西テキサスでは干ばつの懸念が和らぎ、作物の見通しが改善しています。
④ インドの輸入関税撤廃
インドが綿花の11%の輸入関税を10月30日まで一時停止する措置を発表しました。これは高品質繊維の供給を増やすことを目的としており、価格の下支え要因となっています。
⑤ 原油価格・ポリエステルとの競合
米国とイランの合意への期待が原油価格に影響を与え、ポリエステルの競争力が高まることで綿花への需要が抑制されています。
今後の見通し
USDAの農業見通しフォーラムによると、2026/27年度の世界のコットン生産は前年比3%減少の1億1600万バールと予測される一方、消費は1億2010万バールに増加する見込みです。この組み合わせが在庫を引き締め、価格の上昇を支えると期待されています。
新疆ウイグル自治区の綿花栽培面積は2026/27シーズンに構造的な削減が見込まれており、世界の最終在庫のさらなる減少と需給バランスの引き締まりにつながる可能性があります。
まとめると、2026年の綿花価格は「米中関税問題」「在庫過剰」「ポリエステルとの競合」という下押し圧力と、「生産減少予測」「インドの需要増加」「米国の輸出増」という上昇圧力が拮抗し、77セント前後で不安定な動きを続けています。
