乳がんおよび前立腺がん生存者における健康リテラシーと惑星健康食(プラネタリーヘルスダイエット)への遵守度との関連性を調査した研究では、両者の間に有意な関連は見られなかったことが明らかになった。また、対象集団における健康的で持続可能な食事への遵守度と健康リテラシーはともに低いレベルであることが示された。この研究成果は、Nutrition and Cancer誌2025年6月20日号に発表された。
乳がんと前立腺がん生存者を対象とした横断研究
本研究は、乳がんおよび前立腺がん生存者における健康リテラシーと惑星健康食への遵守度の関連性を調査することを目的とした横断研究である。研究チームは、乳がん女性201例と前立腺がん男性106例の二次データを活用して分析を行った。健康リテラシーの評価にはHealth Literacy Questionnaire(健康リテラシー質問票)のブラジル版を使用し、EAT-Lancet食への遵守度はPlanetary Health Diet Index(PHDI、惑星健康食指数)を用いて評価された。この研究では、がん生存者の健康リテラシーの状態と食事パターンの関連性について、特に地球環境に配慮した持続可能な食事推奨との関係に焦点を当てて検証している。
健康リテラシーと持続可能食の遵守度に関連なし
研究の結果、対象者のPHDI平均スコアは45.3点(標準偏差9.0)であり、男性と女性の間で食品摂取に有意差は認められなかった。重要な発見として、がん生存者における健康リテラシーの状態とPHDIスコアの間には関連性が見られなかった。つまり、健康リテラシーの高低が、EAT-Lancetが推奨する持続可能な食事パターンへの遵守度に直接的な影響を与えていないことが示された。また、研究対象となった集団全体において、健康的で持続可能な食事への遵守度と健康リテラシーはともに低いレベルであることが明らかになった。これらの結果は、がん生存者の食事行動と健康リテラシーの複雑な関係を示している。
がん生存者の食生活改善に向けた今後の課題
研究者らは、今回の調査結果から、乳がんおよび前立腺がん生存者における健康的で持続可能な食事への遵守度と健康リテラシーの両方が低いレベルにあることを指摘している。この結果は、がん生存者の栄養管理や食生活改善において重要な課題を提起している。研究チームは、今後の研究では他の集団においてもこれらの条件を評価する必要があると結論づけている。特に、異なる文化的背景や社会経済的状況を持つ集団での検証が重要であり、がん生存者の健康リテラシー向上と持続可能な食事パターンの促進に向けた効果的な介入戦略の開発が求められる。これらの取り組みは、がん生存者の長期的な健康管理と生活の質の向上に貢献する可能性がある。
