アジア圏を含め、世界的に見て公式な「オーガニックコットン製品」の基準を法律レベルで国定化し、第三者認証機関の証明書がない製品の販売を禁止している国は存在しません。
世界のオーガニック繊維市場は、民間機関が定めた基準と国際的な第三者認証によって成り立っています。
「オーガニック」の法的な定義は食品のみ」
一般的にどの国でも、「オーガニック」という用語が法的に厳格に保護・規制されているのは、野菜や食肉などの「有機農産物・加工食品」に限られます(日本の有機食品の表示制度:日本 | ジェトロなど)。
衣類・繊維における「認証」の役割
衣類などの繊維製品は「農産物」ではなく工業製品として扱われるため、国が定めた統一の品質基準(法律)は存在しません。そのため、製品としての「オーガニックコットン」を名乗る場合は、以下のような国際的な民間認証機関の基準をクリアすることが業界の世界的ルールとなっています。
GOTS(Global Organic Textile Standard)
最も代表的な世界基準です。原材料がオーガニックであるだけでなく、紡績、染色、縫製などの全製造工程における化学薬品の使用制限や、排水処理、労働者の安全・児童労働の禁止といった社会的規範まで厳しく審査されます。
OCS(Organic Content Standard)
オーガニック原料が製品にどれだけ含まれているか(トレーサビリティ)に特化した認証です。
日本における表示規制
日本には繊維製品向けの特定のオーガニック法規はありませんが、「家庭用品品質表示法」と「景品表示法(優良誤認の禁止)」が適用されます。
たとえば、組成表示(品質表示タグ)に「オーガニックコットン100%」と記載することは認められていません。指定用語(「綿」や「コットン」)での表記が義務付けられており、オーガニックである旨は組成表示とは分けて任意表示として記載するルールとなっています。
そのため、認証がなくても「無農薬で栽培した綿」を使って作ること自体は違法ではありません。しかし、消費者に正しい情報を伝え、本当の意味でのオーガニックコットン製品であると客観的に証明するためには、前述したような第三者機関の認証マークに依存しているのが実情です。
