日本よりも厳しい基準値(20 μg/g以下)を法律で設けている国として、中国が挙げられます。
海外の主な規制状況は以下の通りです。
中国(国家標準規格)
基準値: 20 μg/g(20 ppm)以下
規制内容: 繊維製品の安全性を定める国家基本安全技術規範「GB 18401」において、日本と同じ24物質の特定芳香族アミンに対して一律 20 μg/g(20 ppm)以下という、日本や欧州よりも厳しい制限値を設けています。中国国内で販売・流通するすべての衣類や寝具等にこの基準が強制適用されます。
EU欧州連合(EU REACH規則)
●基準値: 30 μg/g(30 ppm)以下
●規制内容: 日本の「家庭用品規制法」の基準値は、もともとEUのREACH規則(22物質を規制)をモデルに作られた経緯があります。そのため、EUの法的基準値は日本と同じです。
世界的な民間主導の自主基準(エコテックス®など)
法律ではありませんが、世界の繊維業界で最も広く使われている安全証明ラベル「OEKO-TEX® Standard 100(エコテックス規格100)」では、さらに厳しい基準が設定されています。
●基準値: 20 μg/g(20 ppm)以下
●特徴: 赤ちゃん向けの製品クラスから大人向けまで、すべてのカテゴリーにおいて20 μg/g以下(一部の物質は検出限界未満)を求めており、世界の多くのブランドがこの民間基準を指標にしています。
GOTS認証
オーガニック繊維の世界基準であるGOTS(グローバル・オーガニック・テキスタイル・スタンダード)認証では、特定芳香族アミンを放出するアゾ染料について、以下のような厳しい基準値を定めています。
特定芳香族アミンの基準値
●基準値: 20 μg/g(20 ppm)未満
●規制内容: 発がん性のある特定芳香族アミン(MAK III カテゴリー1、2、3)を生成するアゾ染料や顔料の使用は、原則として全面的に禁止されています。ただし、製造工程で意図せず混入してしまう「不可避の残留限界値」として、20 μg/g未満(テスト方法:EN ISO 14362-1および3)という厳しい数値を上限に設定しています。
●アニリンの特例: また、アゾ染料の合成時に含まれることのある「遊離アニリン(カテゴリー4)」についても、残留上限値を 100 μg/g(100 ppm) と定めて厳しく管理しています。
日本の法的基準(30 μg/g以下)や欧州のREACH規則(30 μg/g以下)と比較すると、GOTS認証のほうが一段と厳しい制限を設けていることがわかります。
