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輸入して日本へ届いた最終製品の価格は昨年に比べてどれぐらい値上がりするのか?

現在のイラン紛争による原油高、ホルムズ海峡封鎖による物流混乱、そして歴史的な円安(1ドル160円想定)を総合すると、輸入届先(着地)での最終製品価格は、昨年(2025年同時期)と比較して平均で25%〜40%程度の値上がりが避けられない見通しです。

 

特に化学繊維(ポリエステル等)を多用する製品や、中国・東南アジアからの輸入製品について、コスト増の内訳を円換算で整理しました。

 

1. 最終製品価格の値上がり内訳(昨年比)

昨年の同時期と比較して、以下の3つの要因が重積しています。

 

コスト要因

昨年比の上昇率(目安)

最終製品への影響(円換算)

原材料費(化繊・樹脂)

+15%〜20%

石油由来原料の暴騰による直接増

物流・輸送費

+100%〜250%

航路迂回と燃料サーチャージ、保険料

為替(円安影響)

+10%〜15%

昨年140〜145円→現在160円想定

合計(累積影響)

+25%〜40%

1,000円の仕入れ値 → 1,300円〜1,400円

 

2. 国別の値上がり傾向(製品1枚あたりのイメージ)

 

昨年1枚「1,000円」で仕入れられていた製品が、現在いくらになっているかの試算です。

 

⁂ 中国製(ポリエステル製品) 

 

● 現在価格:約1,350円(+35%)

 

● 理由:原料高に加え、中国発の海上運賃が世界で最も高騰しています。また、工場の 電力コスト増も転嫁されています。

 

⁂ ベトナム製(混紡・カットソー等)

 

● 現在価格:約1,300円(+30%)

 

● 理由:原料の多くを中国に依存しているため、中国の物価高がそのまま波及します。物流の遅延リスクも価格に反映されています。

 

⁂ ミャンマー製(低価格衣料)

 

● 現在価格:約1,450円(+45%)

 

● 理由:元々の加工賃は安いものの、電力不足による自家発電コスト(軽油代)と、戦争リスク保険料の上乗せが他国より顕著です。

 

3. アパレル経営への実質的な影響

 

1. 副資材の連動高: ボタン、ファスナー、洗濯ラベル、梱包用ポリ袋はすべて石油製品です。これらも昨年比で**20%〜30%**値上がりしており、チリも積もれば製品1枚あたり数十円のコスト増となります。

 

2. リードタイムの長期化: 輸送にプラス20日〜30日かかるため、資金回転(キャッシュフロー)が昨年より悪化します。この「金利分」や「在庫保持コスト」も実質的な値上がりと言えます。

 

昨年の仕入れ価格を基準にすると、現在の見積もりは「驚くほど高い」と感じられるはずですが、これは世界的な構造変化によるものです。早期の価格転嫁、あるいは素材の希少性を活かしたブランド価値の再定義が、利益を守るための鍵となります。