アトピー性皮膚炎の予防や緩和において、肌に最も長く触れる「肌着(ベースレイヤー)」や「Tシャツ」の素材選びは非常に重要です。
単に「綿100%」であれば良いというわけではなく、糸の仕上げや織り方によって刺激の強さが大きく変わります。2026年現在の基準で、肌への刺激を最小限に抑えるための具体的なチェックポイントをまとめました。
1. 糸の特性(毛羽立ちの抑制)
肌が敏感な場合、繊維の「先端」がチクチクとした刺激(物理的刺激)を与えます。
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コーマ通し(精梳綿): 短い繊維を取り除き、長い繊維だけで構成された「コーマ糸」を使用したものを選んでください。毛羽立ちが少なく、肌への引っかかりが劇的に減少します。
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超長綿の選択: スーピマやエジプト綿のような繊維1本1本が長い素材は、糸の継ぎ目が少なくなるため、表面が非常に滑らかです。
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「撚り(より)」の加減: 糸の撚りが強すぎると硬くなり(強撚)、弱すぎると毛羽立ちやすくなります。肌着には、適度な柔らかさを維持できる中程度の撚りが理想的です。
2. 生地構造(織り・編みの種類)
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フライス編み(リブ編み): 横方向への伸縮性が高く、締め付け感が少ないため、摩擦による刺激を最小限に抑えられます。
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スムース編み: 表裏ともに滑らかな編み地で、肉厚でありながら肌触りが非常にソフトです。冬場の乾燥時期の保護に適しています。
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天竺編み(一般的なTシャツ地): 40番手〜60番手といった「細い糸」を使用したハイゲージなものを選ぶと、表面の凹凸が減り、摩擦が軽減されます。
- 加工と縫製のディテール
実は素材そのものと同じくらい、仕上げの工程が重要です。
- GOTS認証等の加工プロセス: * 一般的な綿製品は、製造工程で「シルケット加工(苛性ソーダ処理)」や「化学的な柔軟剤」が多用されます。これらが残留していると、化学的刺激となる場合があります。
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- GOTS認証を受けたプロセスでは、使用できる化学物質が厳格に制限されているため、**「残留化学物質による刺激」**を最小限に抑えることができます。
- 縫い代(縫い目)の処理: * アトピー対策としては、縫い目が外側に出ている「外縫い」仕様や、縫い代が平らな「フラットシーマ」縫製が最適です。
- タグの除去: 首元の洗濯ラベルなどは直接の刺激になるため、プリント仕様にするか、完全に取り除けるものが推奨されます。
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編み組織 |
フライス、スムース、または高密度な天竺 |
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仕上げ |
無蛍光・漂白剤不使用・シリコン系柔軟剤不使用 |
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