キノコ由来素材と藻類由来化粧品:11月27日(木)、欧州委員会は安価で汚染を伴う製品に対抗し収益性追求を目指す「バイオエコノミー」分野の開発支援を約束した。

「バイオエコノミーはSFではない」と、欧州環境委員のジェシカ・ロスウォールはブリュッセルでの記者会見で強調した。その背景には数多くの「持続可能な」製品が並んでいた。
しかし同委員は、この分野の進展が「遅すぎる」と認め、その一因として石油由来製品に比べてコストがはるかに高い場合が多い点を挙げた。ブリュッセルはしたがって、イノベーションと投資を促進する方針である。
欧州委員会は具体的な内容には触れなかったものの、従来のプラスチックに代わる植物や有機廃棄物由来の「バイオベース製品」の開発必要性を強調した。欧州執行機関は「欧州バイオベース製品連合」を創設し、EU企業を統合して2030年までに総額100億ユーロ相当の「バイオベースソリューション」を共同購入する計画だ。
欧州委員会はまた、革新的な製品に関する規則と認可手続きの合理化を約束している。ブリュッセルが2026年に提出予定の循環型経済法には、「バイオマス廃棄物(エネルギー源または原料として利用可能な植物・動物由来の有機物)の回収と利用を改善する措置」が含まれる見込みだ。
ジェシカ・ロスウォール委員は、2030年までに全ての包装材をリサイクル可能とする欧州包装規制にも言及。澱粉やセルロースなどを原料とする再生可能「バイオベースプラスチック」の定量目標追加を計画している。
包装の環境負荷低減(使用量削減と並行)は極めて重要である。包装廃棄物は増え続ける汚染源だからだ。EUデータによれば、2021年に欧州市民1人当たり約190kgの包装廃棄物を発生させており、追加対策がなければ2030年までに209kgに増加すると予測されている。
