静電気が起こりやすい肌着や寝具は、摩擦によって人体に静電気を蓄積させやすくし、以下のような影響が考えられるとされています。
1. 物理的な不快感と痛み
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蓄積された静電気が金属などに触れた瞬間に放電する際の「バチッ」という痛みや不快感。
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帯電量が増えると、チクチクとした痛みやしびれを感じる場合があります(例:3kV程度で痛みを感じ始めるとされる)。
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衣類や寝具が体にまとわりつく不快感。
2. 健康への影響(体内の静電気による影響) 静電気が体内に蓄積される「帯電体質」になると、以下のような不調の一因になる可能性が指摘されていますが、これらは体質や生活習慣の乱れとも密接に関連しているとも言われます。
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血流の悪化: 赤血球同士が電気的に反発しにくくなり、くっつきやすくなることで血液がドロドロになり、肩こり、冷え性、腰痛などの原因になる可能性。
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自律神経・ストレス: 筋肉の緊張による肩こりや腰痛、また不眠、慢性的なだるさ、疲労感、イライラ感など、自律神経やストレスに関連する不調。
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免疫力の低下: 静電気が放出される際に、体内のミネラル成分(カルシウムなど)やビタミンCがわずかに流れ出てしまうことがあり、免疫力の低下や疲れやすさに繋がる可能性。
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アレルギー反応の悪化: 帯電した体が空気中のホコリ、ダニの死骸、花粉、ウイルスなどの浮遊物を引き寄せやすくなり、アレルギー症状や皮膚疾患を悪化させる可能性。
3. 皮膚への影響
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乾燥肌の場合、静電気の刺激が、かゆみを伝える神経(C線維)を刺激し、かゆみをさらに増す原因になることがあります。
静電気対策のヒント
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素材の選択: 肌着や寝具には、静電気が発生しにくい綿、麻、絹などの天然繊維を選ぶことが勧められます。ポリエステルやアクリルなどの合成繊維は静電気を発生させやすいため、これらを直接肌に触れないようにしたり、天然繊維と組み合わせる際には帯電列を参考にすると良いでしょう。
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湿度管理: 静電気は空気が乾燥すると発生しやすくなるため、加湿器などで室内の湿度を50%以上に保つ。
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生活習慣: バランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレス管理など、健康的な生活習慣を心がけ、体内のイオンバランスを整えることが、静電気を溜めにくい体質改善に繋がるとされています。
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保湿: 肌の乾燥も静電気の原因になるため、保湿クリームなどで肌をケアする。
静電気による「バチッ」とした痛みは単なる不快感ですが、静電気が体内に蓄積された状態が続くと、上記のような様々な不調につながる可能性が指摘されています。
