1. 供給:オーガニック農地の状況(日本)
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**全国のオーガニック農地面積(Organic JAS認証地)**は、2023年3月時点で 30,300ヘクタール。過去10年で1.5倍に増加しましたが、全農地に占める比率は約 0.7% と依然低水準です Agrifood Japan。
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**MIDORI戦略(持続可能な食料システムに向けた方針)**では、2050年までにオーガニック農地を 1,000,000ヘクタール(国土の約25%) に引き上げる目標が掲げられています Asia-Pacific Journal: Japan Focus。
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同戦略の効果もあり、オーガニック農地面積は前年比で5.6%増加(2024年時点)、全農地に占める割合は約 0.6% と推計されています Asia-Pacific Journal: Japan Focus。
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作物別では、2021年度のOrganic JAS認定農産物の割合(生産量に占める比率)は以下の通りです:
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野菜:0.36%
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果物:0.12%
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米:0.12%
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大豆:0.65%
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緑茶(荒茶):5.54%(特に高い) 農林水産省。
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→ まとめ:供給率としては約0.6~0.7%と非常に低い水準ながら、茶など一部作物ではやや高いシェアを持つ分野もある、という状況です。
2. 需要:オーガニック食品市場の規模・成長
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内閣府による消費者調査ベースの推計によると
- オーガニック食品市場の規模は 2009年:1,300億円 → 2017年:1,850億円 → 2022年:2,240億円 と年々拡大中です。また、2022年には「週に1回以上オーガニック食品を購入する」と回答した人は 32.6% にのぼっています 農林水産省。
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民間調査による推計も複数あります
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IMARC Group:2023年に USD 1.52 billion(約2,000億円弱)、2024〜2032年にかけて CAGR 10.10% で成長し、2032年には USD 3.65 billion に達すると予測 グローバルインフォメーションGII Research。
- Grand View Research:2023年の市場規模は USD 2,178.2 million(約2,300億円)、2024〜2030年のCAGRは約10%、2030年には USD 4,257.8 million(約4,500億円弱) に成長と予測 グランドビューリサーチ。
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過去市場動向としては、2022年の市場規模は USD 1.6 billion(約1,900億円)。野菜・果物が市場の約45%を占め、2017〜2022年の成長率はCAGR 2.9%でした リサーチアンドマーケッツ。
まとめ表:日本のオーガニック供給 vs 需要(2024年時点)
分野 | データ概要 |
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供給(農地) | ・Organic JAS認証農地:30,300ha(全農地の約0.7%)Agrifood Japan ・2024年時点推計:比率約0.6%、前年比5.6%増Asia-Pacific Journal: Japan Focus ・作物別:緑茶5.54%、大豆0.65%、野菜0.36%、果物/米 0.12% 農林水産省 |
需要(消費市場) | ・MAFF推計:2022年市場規模 2,240億円、週1回以上購入者 32.6% 農林水産省 ・民間予測:2023年 USD 1.52B → 2032年 USD 3.65B(CAGR 10.1%)グローバルインフォメーションGII Research ・Grand View:2023年 USD 2.178B → 2030年 USD 4.258B(CAGR 10%)グランドビューリサーチ ・2022年:USD 1.6B、市場の45%が野菜・果物 リサーチアンドマーケッツ |
考察と注目点
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供給面では、全体として非常に低い比率(0.6–0.7%)ですが、緑茶のような特定作物では比較的高い比率を占めています。
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需要面は一貫して拡大傾向にあり、特に2022〜2023年を基点に拡大速度が加速。消費者意識の高まり(健康志向や環境配慮)が市場を支えています。