お知らせ

未来の都市への課題

持続可能な開発の必要性

都市の規模に関わらず、経済・社会・環境の3つの側面で成果を上げることが求められます。そのため、以下の課題に対応する必要があります。

 

・ 交通の流れを適切に管理し、人々が仕事や娯楽にスムーズに移動できるようにする。

 また、食品や物資が適時供給され、都市間の移動がより円滑になることが重要です。

 

・産業や車両による汚染を削減し、空気の質を保つ。水資源を保全し、廃棄物を減らす。

 

・エネルギー消費を慎重に管理し、環境に悪影響を及ぼす温室効果ガスの排出を抑える。  

 省エネ建築の建設や、消費以上のエネルギーを生み出す「プラスエネルギー建築」の

 が求められます。

 

・ 住民が積極的に参加することで、エコ地区(持続可能な都市づくり)の成功を支える 必要があります。

 

エコ地区と住民参加型民主主義
大規模な都市計画に加え、住民による地域レベルの組織化が持続可能な開発を進める鍵となります。この考えに基づいた地域は「エコ地区」と呼ばれます。
エコ地区では、地域での供給・リサイクルの短縮化、緑地やスポーツ施設の整備、自転車道などのグリーンモビリティの推進が行われます。
各都市はフィードバックを交換し、認証制度を導入しながら市民の参加を促進しています。これにより、住民が単にプロジェクトの相談を受けるだけでなく、具体的な提案を自治体に提出できる「参加型民主主義」の動きが広がっています。

 

都市密度の向上、緑地の増加、垂直農業
かつては一戸建て住宅が理想とされていましたが、現在の都市計画では、郊外への拡大を防ぐため都市の高密度化が推奨されています。その一方で、遊休地に植栽を行い、建物周辺に「緑の回廊」を設けることで、都市がCO₂を吸収しやすくなる取り組みも進められています。都市農業も新たな試みとして導入されています。例えば、コミュニティガーデンは近隣住民の交流を強化する役割を果たし、建物の屋上には30センチの土を敷き作物を栽培するケースも見られます。また、垂直農場では、栄養豊富な液体を用いた棚栽培が行われ、技術の活用により収穫量の向上が図られています。

 

 

新しい移動手段
「都市交通」という概念は「モビリティ」へと進化し、多様な移動手段や接続性(インターモーダル)、利用方法の変化、そしてライフスタイルの変化が含まれるようになりました。移動手段の選択肢は拡大しており、自動運転の路面電車、ケーブルカー、固定ルートを走る自律走行車、再び注目される貨物自転車、通常の自転車、スクーター、ホバーボードなどが登場しています。利用形態も多様化し、カーシェアリングやライドシェア、自転車や車のセルフレンタル、アプリを使った「オンデマンド交通」などが普及しています。

 

 

 

都市のビッグデータ活用
現代の都市管理では、デジタルデータが不可欠となっています。特にエコ地区や建物のエネルギー使用を最適化するには、生産と消費の流れを正確に把握することが求められ、これにより「スマートシティ」が実現されています。
センサーや位置情報システムを活用したデータ収集により、道路の交通管理が向上しています。また、安全性の強化に伴い監視カメラの設置が増えています。さらに、公共サービスや自治体の行政業務のデジタル化も進んでいます。
この「ビッグデータ」の活用には、効果的な管理と個人の自由を守るための新しい規制が必要となります。