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バチカン、性別適合手術への立場を明言 「細心の注意」と個別の対応求める

ローマ教皇庁(バチカン)は、性別適合手術や「ジェンダー理論」に対する立ち位置を昨年から修正したとみられる。
現在は「例外的な状況」が発生する可能性も提起しているようだ。

今週バチカンは、教理省長官のフェルナンデス枢機卿の説教を公開した。
この中で同枢機卿は「標準から外れる事例が存在する」と指摘。
強い性別違和を感じている場合などは生きることに耐えられなくなり自殺を引き起こすことさえあるとし、
「このような例外的な状況は細心の注意を払って検証されなければならない」と述べている。

昨年4月、バチカンは強い警告を発して「ジェンダー理論」への反対を表明。
あらゆる「性別変更の介入」は人間の「固有の尊厳」を脅かす恐れがあると語っていた。

フランシスコ教皇が署名したこの文書は、
人間の尊厳に対する一連の脅威に焦点を当てる内容で、貧困や死刑、戦争、死の幇助(ほうじょ)、
人工妊娠中絶、性的虐待、女性の権利侵害などへの言及が見られた。

今週バチカンのサイトで発表された内容は、
性別違和の可能性を認めながらも、
依然として教会が「身体的な性同一性を根本的な変更の対象にできる」との考えには反対であることを明確にする。
本人の願望に従っていつでも性自認を変更可能とすることにはなお異議を唱えている。

フランシスコ教皇は以前、毎週定例の一般謁見(えっけん)にトランスジェンダーの女性を招く一方、

トランスジェンダーの人々が代父母になるのを認めるバチカンの文書にも署名していた。

88歳の教皇は体調を崩して先月半ばから入院し、

肺炎の治療を受けているが、会議の招集などの意志決定は現在も病院から行っている。