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欧州森林破壊防止規則(EUDR)とは?

欧州森林破壊防止規則(EUDR)とは?

欧州森林破壊防止規則(EUDR)とは? | Forest Stewardship Council

 

なぜEUDR?
森林破壊は、気候変動と生物多様性の危機の主要要因であり、
かなりの割合の森林破壊に関連した製品がEUで消費されています。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、森林破壊を食い止め、
生態系を回復させることが、CO2排出を削減し、
気候変動と闘うための最も効率的な方法のひとつであることを明らかにしました。

EUDRは、EU域内および世界で取引・消費される主要製品が、
森林破壊や森林劣化に寄与しないようにすることを目的としています。


EUDRの対象となる製品は?
EUDRは木材、ゴム、パーム油、大豆、牛肉、コーヒー、カカオに適用されます。
森林伐採と最も関係の深い木材製品には、他の製品にはない「森林劣化に寄与しない」ための要求事項があります。

木材を原料に作られるものとして、紙や紙製品も全般的に対象になります。木材・紙からできたパッケージについては、
包装資材としてそれ自体が製品として取引されるものは対象となりますが、
他の製品を支持、保護、運搬するために使用される包装材は対象にはなりません。

EUDRの対象となる製品はEUDR附則Iに取引に使用されるHSコードによって定義されています。FSCでは、HSコードとFSCの製品タイプの対応表を用意しています。

企業にとってEUDRが意味すること
EUDRは欧州の法律ですが、その影響は全世界に及びます。
対象製品をEU市場に投入またはEU市場から輸出する企業は、
その製品が2020年12月31日以降に森林破壊された、
または劣化した土地から調達されたものでないことを確認するためのデューデリジェンスを実施しなければなりません。
企業はまた、これらの製品が、人権や影響を受ける先住民族の権利の尊重を含めた生産国の関連法を遵守していることを確認しなければなりません。

EUDRはどのように施行されるのか?
EU管轄当局がEUDRの施行と実施を担当する責任組織となります。管轄当局は、
関連商品の地理的位置座標など、企業や信頼された自主システムから提供される関連情報にアクセスできます。
衛星監視ツールやDNA分析の助けを借りて、製品の出所が確認されるでしょう。


主要期日と今後の展開
EUDRは2023年6月29日に発効し、新規則は中規模・大規模企業には2025年12月30日から、
零細・小規模企業(SME)には2026年6月30日から適用されます。
零細・小規模企業(SME)には、免除される規定や特別に適用となる規定があります。

2025年以降、欧州委員会は国またはその一部について評価し、森林破壊リスクのレベルを低、標準、高のいずれかに決定します。
低リスク国からの製品には、簡易デューデリジェンス手続きが適用されます。
EU委員会のリスク評価は、時間の経過とともに見直される可能性があります。
これと並行して、FSCはFSCの規格がEUDRとどのように整合しているかを評価する一方、
EUDR遵守を目指す事業者や流通・仲介業者をさらに支援するために必要な措置を見定めています。