海外のエコノミストやヘッジファンド、金融メディア(Bloomberg, Financial Times等)が、高市政権の経済政策「サナエノミクス」に対して下しているリアルで容赦のない評価を、マクロ経済の論理に基づいてフラットに提示します。
海外勢の本音は、「思考停止したアベノミクスのコピーであり、インフレ・人手不足の時代には逆効果の『劇薬』」というものです。
◆ 財政政策:時代錯誤な「死に金」のバラマキ
海外のエコノミストが最も一貫して批判しているのは、高市政権が掲げる大規模な財政出動(危機管理投資など)の「時代錯誤さ」です。
①「需要不足」から「供給不足」への転換を無視: アベノミクス初期(2013年当時)はデフレであり、政府が金を刷って需要を作る意味がありました。しかし、2026年現在は「人手不足」と「コストプッシュ型インフレ」の局面です。この状況で政府がさらに公共投資や補助金を増やせば、民間の労働力や資材を政府が強奪することになり、民間企業の自律的な成長を阻害(クラウディング・アウト)します。
② 生産性を生まない投資: 防衛費の増額や経済安全保障(半導体工場への巨額補助金など)は、国家の生存には必要かもしれませんが、経済学的には「リターンを生まない消費」に過ぎません。海外投資家は、これが日本の1200兆円を超える債務をさらに膨らませ、将来の増税リスクを高めるだけだと冷ややかに見ています。
金融政策:円安を放置する「スタグフレーション容認論」
高市首相が利上げに対して慎重、あるいは緩和継続を求める姿勢を示していることに対し、海外の通貨トレーダーやマクロヘッジファンドは「格好の売り標的」とみなしています。
① 円の「常態的デバリュエーション(切り下げ)」: 欧米がインフレを抑えるために高金利を維持する中、日本が緩和に固執すれば、円安が止まらないのは当然です。海外メディアは、高市政権の政策を「輸出企業や一部の資産家を利するために、国民全体の購買力を犠牲にする政策」と評しています。
② 実質賃金の破壊: 円安による輸入物価の上昇(原油高の直撃)に対し、生産性が上がらない日本企業の賃上げは追いつきません。海外からは「金利を上げられない脆弱な経済」と見透かされ、結果として需要なきインフレ(スタグフレーション)を政府自らが引き起こしていると批判されています。
◆ 構造改革の不在:「ゾンビ延命」による新陳代謝の停止
海外の機関投資家が最も失望しているのは、高市政権の政策に「痛みを伴う構造改革(労働市場の流動化、規制緩和)」が見当たらない点です。
① 補助金漬けの経済: 中小企業支援やエネルギー補助金など、票田を守るための保護主 義的政策が多すぎます。海外市場の冷徹な見方では、「人手不足で潰れるような低生産性の企業は、速やかに市場から退出すべき」です。それらを政府が延命させるため、成長産業(ITや高付加価値サービス)に人が移動せず、国全体の生産性が停滞したままになっています。
② コーポレートガバナンスの逆行: 企業の内部留保や利益を、政府の意向(賃上げ要請や国内投資への強制)でコントロールしようとする姿勢は、株主平等の原則を重視する海外投資家から「国家社会主義的で、株主軽視の国」というネガティブな評価に繋がっています。
グローバル市場が出している「最終結論」
海外の経済論調を総括すると、高市政権の経済政策に対する評価は以下の1行に集約されます。
「過去の成功体験(デフレ脱却の幻影)にすがり、痛みを伴う構造改革から逃げた結果、日本をマクロ経済の『実験場』にしている」
海外投資家は日本を「成長を期待して投資する国」ではなく、「マクロの歪み(金利差や円安)を利用して短期的にマージンを抜く、投機の場」として見ています。政府がいくら株高を演出しても、実質的な国力(購買力・潜在成長率)が低下し続けている以上、長期的には「売り」の判断を下さざるを得ないというのが、海外経済評論家たちの結論です。
