GRTS(Global Responsible Textile Standard)は、GOTSと同じ厳格な基準を維持しつつ、「オーガニック以外の責任ある繊維」へと対象を広げた規格です。
GOTSとの主な違いと、具体的な認証プロセスについて解説します
GOTSとGRTSの主な違い
最大の違いは「対象となる繊維(原料)」と、それに基づく「製品の混率ルール」にあります。
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項目 |
GOTS (オーガニック繊維基準) |
GRTS (責任ある繊維基準) |
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対象繊維 |
オーガニック繊維(綿、麻、羊毛など) |
リサイクル素材、BCIコットン、FSC認証繊維などの「責任ある繊維」 |
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原料の制限 |
オーガニック含有率が70%以上必須 |
責任ある繊維の含有率が90%以上必要(案) |
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GMO(遺伝子組み換え) |
厳格に禁止 |
非GMO(遺伝子組み換えでない)原料のみが対象 |
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位置づけ |
オーガニックテキスタイルの「黄金基準」 |
GOTSを補完し、非オーガニック製品にも同様の信頼性を与える新基準 |
具体的な認証プロセス
GRTSの認証プロセスは、信頼性を維持するためにGOTSと共通のインフラを使用します。
原料の登録と確認:
使用するすべての繊維原料は、新たに導入される「Global Fibre Registry (GFR)」に登録し、その出所が「責任あるもの(リサイクル、認証済みなど)」であることを証明する必要があります。
第三者機関による監査:
GOTS公認の独立した認証機関が、工場や施設を実地検査します。
環境基準: 有害化学物質の禁止、廃水処理、エネルギー管理が守られているか。
社会基準: 児童労働の禁止、強制労働の排除、安全な労働環境、公正な賃金が確保されているか。
トレーサビリティの確保:
「マスバランス(帳簿上の相殺)」ではなく、物理的に他の繊維と混ざらないよう管理する物理的分別が求められます。
認証(Scope Certificate)の発行:
監査をクリアした企業には、製品を製造・販売できる認証(SC)が発行されます。
すでにGOTS認証を持っている企業の場合
GOTS認定企業はすでに高い管理体制を備えているため、「アドオン(追加)」という形でGRTS認証をスムーズに取得できるよう設計されています。複雑な新規手続きを最小限に抑え、既存のサプライチェーンでリサイクル素材などの製品も認証できるようになります。
現在、2026年秋の正式運用に向けて準備が進められており、今後は「オーガニックならGOTS」「それ以外のサステナブル素材ならGRTS」という使い分けが標準になると予測されています。
