お知らせ

ユニクロ・無印・しまむらが現在それぞれどの程度「認証オーガニック」を扱っているか、最新の公開データ

3社の「認証オーガニック(GOTS/OCS 等)」の扱いについて、最新に公開されている一次情報を当たり、同じ物差しで並べました。結論だけ先に言うと、3社とも「認証オーガニック比率(=GOTS/OCS 等に裏付けられた綿の構成比)」を数値で公表していません。 無印は“責任ある綿”の比率を公開、ユニクロは定義と目標を明示、しまむらはPB基準に「第三者認証」を含める旨と比率(PB内)を公開、という構図です。

大手3社の「認証オーガニック」取り扱い状況(公開情報ベース)

会社 認証オーガニックの位置づけ(方針) 公表されている最新数値(※認証オーガニックに限定した比率の有無) 商品ページでの表示傾向 目標・方針
ユニクロ(ファーストリテイリング) 「サステナブルコットン」の定義にGOTS/OCS 認証のオーガニックコットンを含むと明記。Better Cotton、リサイクル、リジェネラティブも含む包括定義。 認証オーガニック比率:未開示。(構成内訳の公表は見当たらず)

EC上で「オーガニックコットン使用」の文言は散見(※グループのGU商品での記載例あり)が、GOTS/OCSのロゴやライセンス番号の表記は基本見当たらず

 

**2025年末までにサステナブルコットン100%**を目標(その中にGOTS/OCS認証も含む)。
無印良品(良品計画) ROC/GOTS/OCS 等の認証を“オーガニックコットン”として採用する旨を明記。 認証オーガニック比率:未開示。 ただし“社会・環境に配慮された綿の調達比率”は最新で衣料97.4%/生活雑貨47.0%(2024年度実績)。※この指標はGOTS/OCS等の認証綿に加え、CmiA等も含む“広義の責任ある綿”。 ECでは「オーガニックコットン」表記多数だが、GOTS/OCSのロゴ・ライセンス番号の常時表記は確認しづらい。また2023/12/14に“オーガニック・イン・コンバージョン”混入の誤表示を公表(認証の厳密さに関する注意喚起)。 責任ある綿の100%調達を掲げて運用(定義に認証有)。
しまむら PB「CLOSSHI」のサステナブル商品基準に“第三者認証を満たす素材”を含むと明示。経路証明に基づくトレーサビリティ確認の運用も記載。GOTS/OCSへの直接言及は見当たらず 認証オーガニック比率:未開示。 ただし**PB内サステナブル商品比率は35.3%(2024年2月期)**と公表(素材基準に第三者認証を含むが有機限定ではない)。 公式EC・商品紹介で「オーガニックコットン」表記の例はある一方、GOTS/OCSロゴやライセンス番号の明示は確認困難(OEKO-TEX等の化学物質安全認証の表示例はあり、これは“有機認証”ではない)。 PB基準でサステナブル素材運用(第三者認証を含む)を継続。

注記(読み方のポイント)

  • 「認証オーガニック比率」を3社とも公開していないため、上表は「定義・方針」「広義の“責任ある綿/サステナブル商品”の指標」を代替的に比較しています。

  • “オーガニック表記”と“GOTS/OCS 等の認証表示”は別物。 GOTS/OCS で販売する場合は、通常**ライセンス番号(例:GOTS-XXXX)**の表示が可能です。番号やロゴがない商品は、認証の裏付けが確認できないケースがあります。

  • 無印は2023年に**「オーガニック・イン・コンバージョン」混入の誤表示**を公表しており、用語や認証の厳密運用の難しさがうかがえます。


出典(一次情報)

  • ユニクロ/ファーストリテイリング「Responsible Procurement of Raw Materials(原材料の責任ある調達)」:サステナブルコットン定義に GOTS/OCS を含む、および2025年末100%目標を明記(最終更新 2024-12-27 表示あり)。

 

  • 良品計画「MUJI Corporate-value Book 2025」:社会・環境に配慮した綿 調達比率 97.4%(衣料)/47.0%(生活雑貨)

 

  • 良品計画「素材調達方針(コットン)」:ROC/GOTS/OCS 等を“オーガニックコットン”として採用

 

  • 良品計画「お詫びとお知らせ(2023/12/14)」:オーガニック・イン・コンバージョン混入の誤表示

 

  • しまむら「ESGデータブック(2024年8月)」:PB“CLOSSHI”のサステナブル商品基準=第三者認証を満たす素材等経路証明に基づくトレース確認PB内サステナブル商品比率 35.3%(2024年2月期)

 


ざっくりまとめ

 

  • ユニクロ:認証オーガニックは“サステナブルコットン”の一部として明示。ただし認証オーガニック“比率”は非開示。2025年末に広義のサステナブルコットン100%を目標。

 

  • 無印:認証(GOTS/OCS/ROC)を定義に組み込みつつ、公表値は“広義の責任ある綿”の比率で、認証オーガニック限定の内訳は非開示

 

  • しまむら:PB基準で“第三者認証”を含める運用とPB内サステナブル商品比率は公表するが、GOTS/OCS への直接言及や認証オーガニック比率は非開示